ランナーの「みかた」

ランニング、マラソンに関する記事を書いていきます(仮)

東京マラソンで失速した3つの原因

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2月26日に、東京マラソンを無事に走り終えました。当選結果が届いたのが、9月16日になりますので、5ヶ月以上は、この日に向けて準備を進めてきました。この頃は個人的に色々とがたついていた時期なので、その気持ちをなだめるために、ランニングで単純に汗を流すことが心地よく、どっぷりマラソンにはまっていた時期です。
 
子供の頃の遠足のように心待ちにしていた東京マラソン2017。皇居前のゴールゲートをくぐった時、最初にわき出てきた気持ちは、悔しいでした。日比谷公園まで歩いて移動するのですが、その途中、フィニッシュタオルやメダルをかけてくださる方に「お疲れ様でした」「完走おめでとうございます」という言葉を沢山かけていただきましたが、その言葉が本当につらくて、悔しくて、情けなくて。大泣きするほどではありませんでしたが、2回だけ涙を流しました。こんな気持ちで出会えることも、マラソンをやってきたからで、さらにはそこまで気持ちを込めて東京マラソンに打ち込んでいたんだなぁと、自分で自分の気持ちに気がつくことができました。
 
そんなモヤモヤした気持ちの中で振り返りとしても、冷静に振り返りが出来ないと思い、1日経過した今日に振り返りをしています。
 
おかげさまで、1日が経過して、気持ちは晴れ晴れしています。あんだけ苦しく辛かったフルマラソンですが、もう次に向けて気持ちは切り替えています。むりやり納得させたのではなく、自分の中での気づきが納得感を生まれました。誰かに正解を教えてもらうのではなく、自らの答え=仮説を立てています。もしかしたら、私の知識不足により間違っている部分があるかも知れませんが、折角の機会なので、その学びを他のランナーの方にも共有したいと想います(間違っていたら、優しく教えてください)
 
2016年10月の富山では、マラソンの楽しさを知り、11月のつくばでは、マラソンの苦しさを知り、そして、2月の東京では、マラソンの難しさを知りました。それぐらい、今回のマラソンはハードに感じました。とにかく、30キロ過ぎからがつらかった。
 
まずは、先日立てた東京マラソンの作戦立ては次の通りです。
 
まず、結果として、作戦で立てた達成状態を達成することはできませんでした。
 
ネット 3:16:11
グロス 3:19:49
 
という結果になります。
 
その原因は大きく3つあると思います。
 
1)そもそも、立てた計画に無理があった
2)スタート前の寒さばかりに意識が向き、レース中の暑さ対策が出来ていなかった
3)低ナトリウム血症が発生していた
 

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1)そもそも、立てた計画に無理があった

 
実は、東京マラソンの目標タイムは昨年末から何度か変更しています。年末の時点では、3時間20分、年明けに3時間15分、そして、最後は3時間11分と段々と目標タイムを縮めて行きました。これにも理由があって、自分のスピードが段々と上がっていくにつれて、過信や欲が出てきてしまい、現実的な目標よりも「これが達成できると嬉しい」「達成すると格好いい」といった気持ちが優先していました。さらには、3時間11分という数値は、つくばマラソンから3ヶ月から30分を更新するという見栄っ張りなところが顔を出してしまい、自分の実力以上のタイムを設定していました。もちろん、このような目標設定をした方が本番の力を出せる方もいるでしょうが、私は元来現実的に物事を考えて、着実性やプロセスを大事にして、目標達成志向は資質的に低い人間なので、今回の目標設定そのものが背伸びをしていました。
 
背伸びをした目標を立てた結果、その目標に合わせたラップタイムを考えて、実際に走りました。30キロまでは予定通りのラップで走れていたのですが、30キロ以降からものの見事に減速・・・練習が足りないという考え方もあるとは思いますが、私の中の結論としては、実力以上のスピードで走った結果、30キロから大きなブレーキがかかってしまったというのが、一つ目の大きな原因です。それでも、30キロまで予定通り(キロ4'30)で走ることができたのは、大きく成長した証です。
 
が、この原因だけではないことを、昨日からずっと考えていました。むしろ、真の原因は他にもあるのでは?と。
 
それに気づいたのは、30キロ以降に起きた身体の中の症状を考えていた時です。これまでのマラソンでは感じたことのない違和感を今回の東京マラソンでは感じました。
 
<前提>
・当初の予定通りのラップ(キロ4'30)で30キロ過ぎまで走っている
・すべての給水所では、スポーツドリンクまたは水を必ず飲んでいる
・予定通りの距離で、ジェルを摂取している
・30キロまで、最高の気持ちよく走りができ、疲労感より爽快感が圧倒的に上
 
<症状>
・30キロ過ぎから「水を飲みたい」というより、「水で手を洗いたい」「水をかぶりたい」と思うようになる
・30キロ過ぎで品川方面に走り出した時、「太陽が出ていて、今日は気温が高い日だ」と気がつく
・32キロでジェルが飲もうとした時、うまく飲み込めず、吐き気を感じる
・322キロ過ぎから、両足の甲に痛み、その後、両足の太もも、両足ふくらはぎと連続して痛みが出だす
・35キロ過ぎから、悪魔のささやきとの葛藤が始まる
・周りが見えなくなり、35キロ過ぎからの記憶が曖昧

 

2)スタート前の寒さ対策ばかりに意識が向き、レース中の暑さ対策が出来ていなかった

 
今回の東京マラソンにおいて、事前に一番苦手意識を持ったのは、寒さでした。私はEブロックだったので、早く走るためには、ブロックの最前列に位置取りたい(実際にそうしました)。そのためには、都庁前の日陰で1時間以上前から待機する必要がある。となると、半袖ではなく、着慣れた長袖のシャツ+チームウェアの半袖で走ることを選択。ゴミを増やすという観点から、使い捨てのカッパを着るということは選べませんでした。さらには、寒さ対策の他に、沿道の人から発見してもらいやすいように、バフを首に巻いて走っていました。これも、すべて寒さ対策だけに意識が向いていた結果です。スタート前の1時間だけを考えて、実際に走る3時間あまりを深く考えずに、走る格好を決めてしまったことになります。
 
今振り返ると、長袖シャツをまくり上げるタイミング、手袋を外すタイミングは暑さを感じていた分、予定より早く、首に巻いていたバフが熱を随分とため込んでいたように思います。当初の予定では、スタートの前はバフを首に巻き、スタート後はバンダナのようにしようと思っていたいのですが、すっかりそんなことは忘れていました。練習で一度も試したことのないバフの活用は本番でうまく行くはずもなく、こんな基本中の基本が今回はすっぽりと抜けていました。
 
余談ですが、レース後、喫茶店でストロベリーパフェを食べてから、スパに移動して、体重を測ったのですが、朝の体重に比べて、マイナス2.5キロ。パフェ以外にも、(レース中もレース後も)相当な水分補給をしてはいましたが、レース中に相当な汗をかいていたようです。
 

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3)低ナトリウム血症が発生していた

 
【低ナトリウム血症の代表的な症状】
 
・運動能力の障害
・手足のむくみ
・めまい
・嘔気、嘔吐
・頭痛
・意識が遠のく
・怒りっぽくなる、混乱する
・けいれん
・尿が出なくなる
※太字が当日感じた症状
 
30キロ過ぎから身体に異変を感じ始めます。正直、私は身体が強い(タフ)だと思っているので、この違和感に少し戸惑いました。疲労感からくるものとも違い、逆に疲労感を感じるのは35キロ過ぎだと想定していましたので、予定に何が起きているのか、自分でも良くわかりませんでした。
 
今回、3ヶ月ぶりのフルマラソンということで、ガス欠と水分不足は起きないように注意していました。ガス欠は最近走ったランナーの方の学びを反映させてもらい、当日の食事+レース直前の補給+レース中の補給とかなり気をつかいました。水分の方も、スポーツドリンクを優先して、全てのエイドで必ず飲み物を取り、飲んでいました。
 
30キロ過ぎで起きた症状は、最初は水分が足りないのか?と思ったのですが、「思ったより喉は渇いていない。しかし、身体が水を欲している。運動機能が低下してきている感覚がある」状態が続き、持っている知識ではすぐに答えが出せない。とにかくエイドが早く来ないかばかりを考えていました。こういう時は当然ながら早く走ることが出来ないので、次のエイドまでがとにかく長く感じます。
 
ゴール後も、「あの症状は一体何だったのだろう?」とずっと答えが出せずにいたのですが、やっと見つかりました。それは、塩分が足りていなかったようです。2枚のシャツを着て走っていたこと、そして、バフを首に巻いたまま走っていたことで、想定以上の汗が流れていたように思います。その結果が、大幅な体重減にもつながったのでしょう。
 
さらには新コースに変わり、30キロ過ぎから品川方面に走る際、結構な日差しを感じました。まさにこの時に、「太陽が出ていて、今日は結構気温が高い日だ」と気づくわけです。それまでは、とにかくレースに集中して、当初のPlan通りに進めること(タイム、補給)を優先させていました。正直、レース中は暑いと感じることなく、Plan通りに進めていることに喜びを感じて、狙ったタイムで走ることができそうだ、もう少しタイムを縮めることができるかも、なんてことを考えていました。30キロ過ぎからの地獄が始まることも知らずに。
 
今、振り返ると、普段感じない足の痛みは、塩分不足が引き起こしている症状に思います。
 
これまでランニングをしていて、足が攣ったことは一度もありません。逆に「足が攣る」という人がいると、なんでだろう?と正直他人ごとに考えていました。しかし、実際には攣りませんでしたが、今回、初めて足が攣りそうになる経験をしました。30キロ過ぎから、両足の甲、両足太もも、両足ふくらはぎの6点攻めをくらい、まともに走ることが出来なくなりました。あくまで結果論ですが、無理をしていたら、足は攣っていたように思います。
 
そんなわけで、事前の準備物の中には、塩分対策のものは一つもなく、低ナトリウム血症というのも、まさか自分に発症するとは思いもしませんでした。マラソンのセミナーの中でもそういったものがあるとは聞いていましたが、自分に起きるわけがないと関係のないこととして処理していました。レース中、沿道で塩分がチャージできるタブレットを配っている方がいたのですが、それを無意識で欲していたのは、知識レベルではわかっていなくても、身体の本能が塩分を欲していたのかも知れません。ただ、そのタブレットを取りに行きたくても、足が全く動かなかったので、自ら沿道まで取りに行くことすら出来ませんでした。
 
ここまで約4,000文字近くを書いてきましたが、自分なりの学びを整理すると次の通りです。
 
<今回の学び>
・計画を立てることが重要だが、当日の環境・状態に合わせて計画を柔軟に変化させていく
・レース前という部分にとらわれず、レース全体をとらえて、考え決断する
・本番で試すもの(服装、ギア、ジェル等)は必ず練習で試しておく。ぶっつけ本番は絶対にやらない
・レースに起きうる症状とその対策はしっかりとインプットしておく(知識がないと対策が打てない)
・食事・水分以外に、塩分にも注意する。塩分補給に必要なアイテムを持ち物に加える
 
色々と自由に書いていましたが、どんなものでも自らが体験しないと、わからないこと、理解できないことはマラソンでも沢山あるなと改めて感じました。知っていると、理解しているでは大きな違いです。私にとって、3回目のフルマラソンでしたが、読んだ方の気づきや学びにつながれば幸いです。
 
今日はここまでー。

東京マラソン2017作戦立て

対象

226日(日)に行われる東京マラソン2017

 

達成状態

  1. 上記東京マラソンにおいて、3時間1138秒以内に爽快感一杯でゴールする
    ※自己ベストは、1611月のつくばマラソンで、3時間4138
    ※個人的には、3時間10分を切ることが出来たら、120
  2. 沿道に応援してくださる方々に感謝の気持ち(余裕があれば態度)を示し、東京マラソンという祭典を存分に味わいながら、レース中はランニングに集中する
  3. ゴールした後のラーメンをたらふく、おいしく食べるための達成感・充実感が心身ともに満ちている
  4. タイムは一つの目標であるが、ランニングを「楽しむ」こと、東京のど真ん中を走れることに「誇り」を持つこと、レースを一緒に走るランナーとともに東京マラソンを「作り上げる」こと、東京マラソンを走りたくても走れない人の想いを「感じる」こと、人としての「配慮のある行動」をすること。

 

この達成状態を設定した理由

  1. 前回のつくばマラソンから3ヶ月という期間で成長幅を考えた時、「自己ベスト30分更新」というわかりやすい数値で表したいと思ったため
  2. 今後のウルトラマラソンでの目標タイム、秋のフルマラソンでの目標タイムを考えると、現時点で、3時間11分ぐらいの結果がほしいため
  3. 現状のレベルを考えると、簡単でもなく、とてつもなく難しいタイム設定ではなく、程よくストレッチされた目標となるため

 

上記を達成するためのアジェンダ

<チャレンジ要素>

  1. 基本ペースは、キロ430秒とする
    *ただし、最初は確実にごちゃつくため、最初の3キロはキロ5分が切れれば(キロ44050秒が望ましい)ぐらいの余裕を持っておく。
  2. ネガティブスピリットではなく、最初から積極的に上記のペースを自ら作りにいく(ネガティブスピリットは狙うものではなく、あくまで結果)
  3. 1キロごとのペースに左右されず、5キロを一つのサイクルととらえて、必要に応じて調整する
  4.  10キロごとに、目標とするタイムを設定する
    10キロ:46分以内
    20キロ:1時間31分以内
    30キロ:2時間16分以内
    ※ハーフは、1時間3520

 

<既に分かっていること>

  1. フルマラソン8分割してとらえる
  2.  エイドは、スポーツドリンクと水を取るだけにする
  3. 予想外にペースアップしている時は、調子に乗っているか、ランニングハイのどちらか。今回の東京のコースは、最初だけが下りのようなので、外的要因でペースが上がることは考えづらい。
  4. ペースダウンしている時は、体感スピードと実際のスピードにズレが生じているか、疲労がたまってきているか、フォームが崩れているか。特に30キロ前にペースダウンが生じた時は、走りながら原因を探る。
  5. グロスタイムに一喜一憂せず、あくまでネットタイムで勝負する

 

懸念点

  1.  前回のつくばマラソンから3ヶ月が経過して、スピードは大きく成長したが、その分、そのスピードに対する持久力がついていけていない
  2.  最近はスピード練習がメインとなっているため、持久力をつけるためのロング走に時間があまりとれていないこと
  3. 3万人を超える大会のため、かなりの混雑が見込まれる点(エイドでの接触には要注意)
  4.  Eブロックからスタートで目標タイムを達成するためには、前を走るブロックの人を追い抜いていく必要がある
  5. 過去2回のフルマラソンは、ネガティブスプリットで走っているため、最初からベースとなるスピードで走った経験がない
  6. 疲労がたまってくると、まずは右腰が痛くなる(その後、フォームが崩れていく)
  7. 早めに整列するため、寒さおよびトイレに対する対策が取りづらい

 

■プラス面

  1.  つくばマラソンの時に比べると、仲間のランナーが格段に増えて、一緒に同じレースに取り組める
  2. ランニングクラブのチームウェアで走るため、同じ格好した仲間を発見できた時には、応援し合える(仮に発見できなくても、応援する気持ちはつながっていると考える)
  3. 日本最大の東京マラソンは沿道の応援が本当にすごいとの話を聞いているため、その応援が大きな活力となる
  4. 元来スタミナタイプだと思うので、後半でも大きなペースダウンをせずに、粘り込める

 

準備するもの等

  1. 健康な心身
  2. これまでの経験
  3. サプリメント(必要な分)
  4. naked
  5. iPhone
  6. ランニングウォッチ